2025年7月26日に放送されたテレビ朝日系『人生の楽園』で、和歌山県有田川町の家具工房「SIL(Smile Is Life)」が特集されました。
この工房は、一度は役目を終えた木製パレットを、美しい家具やキャンプ用品として生まれ変わらせています。
この記事では、番組で紹介されたSILの魅力、創業の物語、製品のラインナップ、そして工房へのアクセス方法まで、詳しく解説していきます。
SIL(Smile Is Life)ってどんな工房?
SIL(Smile Is Life)は、和歌山県の自然豊かな有田川町に拠点を置く、アップサイクル家具工房です。
創業者である宮尾隆弘さんが、自身の大きな人生の転機をきっかけに、廃棄される素材に新たな命を吹き込むという理念のもと、2018年に立ち上げました。
創業のきっかけと宮尾隆弘さんの転身の物語
創業者の宮尾隆弘さん(47歳)は、大阪で18年間ヘルパーとして福祉の仕事に従事していましたが、36歳の時に「異型狭心症」という心臓の病気を発症しました。
医師から命の危険を告げられ、これまでの働き方を見直さざるを得なくなったのです。
無理のない生き方を模索する中で地元・有田川町に戻った宮尾さんは、廃棄寸前の木製パレットを目にします。
その「まだ使える」姿に、病気を経験した自身の体を重ね合わせ、「自分もまだ輝けるのではないか」と強く感じました。
この直感が原点となり、2018年に空き倉庫を改装し、SILを創業。
廃業した建具店から譲り受けた木工機械を使い、ほぼ独学で廃材を再生する家具づくりを開始したのです。
工房の所在地・基本情報(住所・営業時間・定休日など)
SILの工房は、和歌山県有田郡有田川町水尻567の、山あいの静かな環境にあります。
営業時間は午前10時から午後18時までで、お昼休憩を挟むことがあります。
定休日は特に定められていない不定休のため、工房を訪問する際は事前に電話などで連絡することをおすすめします。
アクセスは、JR藤並駅から車で約15分、または有田ICから車で約10分と、車での訪問が便利です。
敷地内には駐車スペースも確保されています。
アップサイクルする素材と製品の特徴
SILが主に使用する素材は、物流の現場で役目を終え、廃棄される運命にあった木製パレットです。
国内では年間約4,500万枚ものパレットが廃棄されており、これを再利用することで資源の循環に貢献しています。
製品は、ダイニングテーブルやベンチ、本棚といった家具から、アウトドアブランド「SIL CAMP」として展開するキャンプ用品まで多岐にわたります。
すべての製品は、釘抜きから研磨、圧着、塗装に至るまで、手作業中心で丁寧に作られます。
木材一枚一枚が持つ色合いや節、傷などを隠すのではなく「個性」として捉え、「揃わないからこそ面白い」という哲学のもと、一つとして同じものはない一点ものの作品を生み出しています。
テレビ「人生の楽園」での紹介内容と反響
2025年7月26日の『人生の楽園』での放送は、SILの哲学とストーリーを多くの人々に伝え、大きな反響を呼びました。
番組を通じて、単なるリサイクルではない、深い物語性を持ったものづくりが注目を集めたのです。
番組で語られたSILの哲学とストーリー
番組では、創業者である宮尾隆弘さんが36歳で「異型狭心症」を患い、人生を見つめ直した末にSILを立ち上げるまでの感動的なストーリーが紹介されました。
廃棄される木製パレットに自身の姿を重ね、「まだ輝ける」と感じた宮尾さんの想いが、工房の原点であることが語られました。
「使い捨てられる木材に新たな命を吹き込む」というSILの哲学と、ブランド名「Smile Is Life(笑顔こそ人生)」に込められたメッセージが、多くの視聴者の心を打ちました。
視聴者やSNSでの評判・評価コメント
番組放送の直後から、SNSでは「テレビを見てSILを検索した」「廃材がここまで魅力的な家具に変わるなんて」といった驚きと感動の声が数多く投稿されました。
特にInstagramでは、手作業で丁寧に仕上げられた作品の温かみや、木の個性がそのまま活かされているデザインに対する称賛のコメントが溢れ、「ぜひ家に置きたい」という口コミが広がっています。
また、その取り組みはSDGsとの親和性が高いことから、業界内でも高く評価されています。
地域やSDGsとの結びつきとして注目された点
番組では、SILの活動が地域社会や環境問題と深く結びついている点もクローズアップされました。
廃棄パレットの再利用は、有田川町が進める「有田川エコプロジェクト」の一環であり、資源循環型社会への貢献として位置づけられています。
さらに、地域の廃業した工房から木工機械を譲り受けるなど、「使われなくなったものを活かす」という姿勢は、地域住民からの共感と協力を生んでいます。
SILの活動は、行政からも評価される循環型コミュニティの優れたモデルケースとして注目されているのです。
SILの製品ラインナップと特徴
SILでは、一つひとつ表情の異なる木製パレットを原材料に、暮らしに温もりを与える家具や、アウトドアシーンを彩るキャンプ用品を制作しています。
ここでは、その代表的な製品ラインナップと、こだわりの手作業工程について詳しく見ていきましょう。
家具(ベンチ・テーブル・棚など)の種類と手作業工程
SILの家具は、ベンチやダイニングテーブル、本棚などを中心に、すべてオーダーメイドに近い形で一点ずつ製作されます。
製造プロセスは、パレットから丁寧に釘を抜き、木板を選別するところから始まります。
木目や色合い、節や傷といった素材の個性を最大限に活かすデザインを考え、独自の技術で圧着やカットを行います。
仕上げには、木の風合いを損なわない植物性のオイルや蜜蝋を使用するため、使い込むほどに味わいが増していくのが特徴です。
「不完全な美しさ」を追求することで、同じデザインでもそれぞれが世界に一つだけの表情を持つ家具が完成します。
SIL CAMPブランドのキャンプ用品・雑貨紹介
「SIL CAMP」は、SILが展開するアウトドア向けブランドです。
持ち運びやすさとデザイン性を両立させた製品が人気を集めています。
代表的な製品には、折りたたみ式のヘキサゴン形テーブルや、ヘリンボーン柄の天板が付いたフィールドラックなどがあります。
例えば、ヘリンボーン天板と脚部のセットは約2.7kgと軽量で、サイズも幅63cm×奥行38cm×厚さ3cmとコンパクト。
自然の中で木の質感を楽しめるよう、表面は滑らかに研磨しつつも、木本来のツヤや節は残されています。
室内インテリアとしても使える高いデザイン性が魅力です。
価格帯・受注方法(工房訪問・オンライン販売など)
SILの製品は、工房での注文制作、またはオンラインストアで購入できます。
キャンプ用品を扱う「SIL CAMP ONLINE STORE」(BASE)では、「折りたたみヘキサゴンテーブル」が16,300円(税込)、「ヘリンボーン天板+フィールドラック」のセットが18,300円(税込)で販売されています。
一点ものの家具については、電話(090-5361-3836)やメール、公式サイトからオーダーを受け付けています。
工房を訪れて直接相談することも可能ですが、不定休のため事前の連絡が必須です。
製品は素材の特性上、木目や色味が一点ずつ異なるため、価格や納期は仕様によって変動します。
訪問・購入時のポイントと地域との連携
SILの魅力をより深く知るには、実際に工房を訪れたり、イベントに参加したりするのが一番です。
ここでは、工房へのアクセス方法や、地域と連携した取り組みについて紹介します。
工房訪問の予約・アクセス(藤並駅や有田ICからのルート)
SILの工房(和歌山県有田郡有田川町水尻567)へ訪問する際は、必ず事前に電話(090-5361-3836)またはSNSのダイレクトメッセージで予約をしてください。
営業時間は午前10時から午後17時までですが、定休日は決まっていません。
アクセスは車が便利で、紀勢自動車道「有田IC」から約10分、JR阪和線「藤並駅」からは約15分で到着します。
訪問者用の駐車スペースも完備されています。
公共交通機関を利用する場合は、藤並駅からタクシーを使うのが現実的な選択肢です。
ワークショップやイベント出展の機会と参加方法
SILでは、ものづくりの楽しさを伝えるため、不定期で木工ワークショップを開催しています。
過去には、子ども向けのスツールやプランター、ネームプレートなどを制作する体験会が行われました。
これらのワークショップは主に小学生以上を対象とした事前予約制で、所要時間は約2時間です。
初心者でもスタッフが丁寧にサポートしてくれるため、家族連れにも大変好評です。
開催情報は公式Instagramなどで告知されるため、興味がある方はチェックしてみてください。
地域貢献・地域との協働事例(展示会、行政評価など)
SILの活動は、単なる家具作りにとどまりません。
近隣で廃業した職人から木材や機械を譲り受け、新たな価値を与えるその取り組みは、地域資源の循環モデルとして高く評価されています。
有田川町のエコプロジェクトとも連携し、SDGsへの貢献が行政からも認められています。
展示会への出展や体験プログラムの開催を通じて、地域住民や観光客との交流の場を積極的に創り出し、地域活性化の新たな協働事例となっているのです。
まとめ:Smile Is Lifeが伝える「再生」「笑顔」「地域」の循環
2025年7月26日の『人生の楽園』で紹介された和歌山県有田川町の家具工房「SIL(Smile Is Life)」について解説しました。
創業者・宮尾隆弘さんが自身の病気を乗り越え、廃棄される木製パレットに「まだ輝ける」という想いを重ねて始めたこの工房。
その活動は、単なるアップサイクルを超え、製品を手にする人、そして地域社会にまで「笑顔」の循環を生み出しています。
素材の傷や不揃いさを「個性」として愛でるその哲学は、私たちの暮らしや価値観にも新しい視点を与えてくれます。
オンラインストアで購入するのも良いですが、機会があればぜひ有田川町の工房を訪ねてみてください。
木の温もりと、宮尾さん夫妻の笑顔に触れることで、日常に温かな彩りが加わるはずです。