2025年7月29日放送のNHK「あさイチ」では、夏に気になる体臭の正体と対策をテーマに、科学的な視点から分かりやすく解説されました。
「ツイQ楽ワザ」のコーナーでは体臭タイプごとの具体的なケア法が紹介されたほか、「いまオシ!LIVE」では茨城県の梅体験スポット、「みんな!ゴハンだよ」では料理研究家の近藤幸子さんによる夏にぴったりのレシピも登場しました。
体臭タイプ別の対策ワザ&科学でニオイの謎を解明
夏本番、汗をかく機会が増えると同時に気になるのが体のにおいです。
体臭は一人ひとり原因が異なり、自分に合った対策を見つけることが大切です。
ここでは、体臭のタイプ別にその原因を科学的に解明し、効果的な対策ワザを詳しく紹介します。
ニオイの元を科学で解明!タイプ別で変わる体臭の原因とは?
体臭の発生には、主に汗腺の種類、皮膚に存在する常在菌、そしてストレスや腸内環境といった体の内側の状態が深く関係しています。
特に夏場は、気温と湿度の上昇で汗や皮脂の分泌が活発になりがちです。
これにより、皮膚の常在菌が汗や皮脂を分解する際ににおい物質を発生させやすくなります。
また、食生活や生活習慣の乱れも、体内の状態を変化させ、体臭の原因に繋がります。
自分のにおいがどのタイプに当てはまるかを知り、原因に合わせたケアをすることが改善への第一歩です。
ストレスが原因で起きる疲労臭には内側からの対策が有効
強いストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、体内で発生したアンモニアを肝臓で十分に分解しきれなくなります。
分解されなかったアンモニアは血液に乗って全身を巡り、汗や皮膚ガスとして排出されることで、つんとした特有の「疲労臭」を発生させます。
この対策には、体の内側からのケアが有効です。
肝臓のアンモニア分解を助けるアミノ酸「オルニチン」を豊富に含む、シジミ、マグロ、チーズ、キノコ類などを食事に取り入れましょう。
また、梅干しや黒酢に含まれるクエン酸も肝臓の働きをサポートします。
さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品で腸内の善玉菌を増やし、アンモニアの発生自体を抑制することも効果的です。
酸っぱいにおい(ケトン臭)は代謝と肝臓ケアがカギ
体から甘酸っぱいようなにおいがする場合、それは「ケトン臭」のサインです。
過度な糖質制限や断食、激しい運動などによって体内の糖質が不足すると、体は脂肪を分解してエネルギー源である「ケトン体」を作り出します。
このケトン体が増えすぎると、処理が追いつかずに汗や呼気から排出され、独特の酸っぱいにおいとなります。
この場合、まずは体のエネルギー代謝を正常に戻すことが重要です。
クエン酸を含むレモンやお酢を食事に加えることで、代謝サイクルをスムーズに動かす助けになります。
また、極端な食事制限は見直し、体を動かすエネルギー源として適度な糖質を補給することも忘れないようにしましょう。
キャベツ臭・生ゴミ臭は腸内環境の乱れが原因に
汗や息がキャベツや生ゴミが腐ったようなにおいと表現される場合、その原因は腸内環境の乱れにある可能性が高いです。
肉類などのたんぱく質が腸内で悪玉菌によって腐敗すると、インドールやスカトールといった有害物質が発生します。
これらの物質が腸壁から吸収されて血液に溶け込み、全身を巡って皮膚から汗や皮脂と共に排出されることで、強いにおいを発します。
対策の基本は、腸内環境を整えることです。
食物繊維が豊富な野菜やきのこ類を積極的に摂取し、腸内をきれいに掃除しましょう。
同時に、ヨーグルトや味噌などの発酵食品で善玉菌を補い、腸の働きを活発にすることが大切です。
また、脂っこい食事やお酒の量を控えることで肝臓への負担を減らし、体全体の解毒機能を高めることもにおいの抑制に繋がります。
まくら臭・ミドル脂臭は汗腺の働きと運動習慣が関係
特に30代後半から気になり始める、使い古した油のようなにおいは「ミドル脂臭」と呼ばれ、後頭部や首筋から発生しやすいのが特徴です。
このにおいの主な原因物質は「ジアセチル」で、汗に含まれる乳酸が皮膚の常在菌によって分解されることで生成されます。
運動不足などで汗をかく習慣が減ると、汗腺の機能が低下し、ベタベタとした濃い汗をかきやすくなります。
この汗には乳酸が多く含まれるため、ミドル脂臭が強くなる傾向があります。
対策としては、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を習慣にし、汗腺を鍛えることが有効です。
また、夜はぬるめのお湯にゆっくり浸かり、リラックスしながらしっかりと汗をかく入浴習慣も、質の良い汗をかける体づくりに役立ちます。
若い人にも起こる?加齢臭は抗酸化食材で防ぐ
「加齢臭」は、一般的に40代以降に目立つようになりますが、その原因となる生活習慣によっては20代や30代でも発生します。
加齢臭の正体は「ノネナール」という物質で、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化することで生成されます。
ストレスや不規則な生活、脂質の多い食事は皮脂の酸化を促進するため、若い世代でも注意が必要です。
この対策には、体の酸化を防ぐ「抗酸化作用」のある栄養素を積極的に摂ることが効果的です。
ビタミンC(柑橘類など)、ビタミンE(ナッツ類、ごまなど)、そしてポリフェノールを多く含む食品を日々の食事に取り入れましょう。
体の内側から酸化を防ぐと共に、体を清潔に保つことで、前述のミドル脂臭とのダブル対策にもなります。
お酢風呂でニオイを抑える新習慣とは?
手軽にできる体臭ケアとして「お酢風呂」が紹介されました。
これは、いつものお風呂にお酢を加えるだけで、汗臭を和らげる効果が期待できる入浴法です。
やり方はとても簡単で、一般的な家庭の浴槽(約180L)に対し、リンゴ酢や穀物酢などの食酢をコップ1杯(約200ml)入れるだけです。
お酢に含まれるクエン酸や酢酸には、においの原因となる菌の繁殖を抑える働きがあります。
また、皮膚の表面を健康な状態である弱酸性に保つ効果も期待できます。
入浴後は、シャワーで軽く体を洗い流せば、お酢のにおいが肌に残る心配もありません。
ただし、肌がデリケートな方は、お酢の量を減らして試すか、事前に腕の内側などでパッチテストを行うと安心です。
10円玉を使った靴の消臭ワザも紹介予定
一日の終わりに気になる靴の中のにおいには、10円玉を使った驚きの消臭ワザが有効です。
10円玉の主成分である「銅」には、銅イオンによる強い抗菌作用があり、においの元となる雑菌の繁殖を効果的に防ぎます。
使い方は、帰宅後に靴の中に10円玉を5枚から10枚ほど、特につま先部分にまんべんなく入れて一晩置くだけです。
これだけで、翌朝には気になるにおいが軽減されます。
より効果を高めるためには、事前に10円玉の汚れを水洗いして乾かしてから使用するのがおすすめです。
市販の消臭スプレーや重曹など、他の消臭アイテムと併用するのも良いでしょう。
洗いすぎが体臭を悪化させることもある?
体を清潔に保つことは大切ですが、ナイロンタオルなどでゴシゴシと洗いすぎるのは逆効果になることがあります。
過度な洗浄は、肌のうるおいを守る皮脂や、外部の刺激から肌を守ってくれる良い働きの常在菌まで洗い流してしまいます。
これにより、肌が乾燥して逆に皮脂の分泌が過剰になったり、においの原因となる悪玉菌が繁殖しやすくなったりして、体臭を悪化させる原因になります。
対策としては、脇や足の裏など、においが特に気になる部分のみを低刺激の石けんで優しく手で洗い、その他の部分はぬるま湯で洗い流す程度で十分です。
また、汗をかいた際には、乾いたタオルで拭くよりも、濡らしたタオルで拭く方が、菌の繁殖を抑える上で効果的です。
新企画「いまオシ!LIVE」で紹介される梅の体験スポット
茨城県大洗町にある「Ume Sonare oarai(ウメソナーレ大洗)」は、1830年創業の老舗梅干し専門店「吉田屋」が手掛ける、日本初の梅体験パークです。
ここでは、梅シロップ作りや梅酒作りといったユニークな体験が楽しめます。
様々な種類の梅と砂糖、そしてお酒を自由に組み合わせることができ、そのバリエーションは最大で125通りにも及びます。
自分だけのオリジナル梅シロップや梅酒を作れるこの体験は、約40〜45分で完了します。
料金は梅シロップ体験が2,200円から、梅酒体験が2,640円からとなっており、観光の思い出作りにぴったりです。
施設内にはキッチンカーやカフェ「ume café WAON」も併設されていて、9種類の梅干しを使ったオリジナルメニューや、梅スイーツを味わうことができます。
「みんな!ゴハンだよ」には近藤幸子さんが登場
料理コーナー「みんな!ゴハンだよ」には、料理研究家の近藤幸子さんが登場しました。
近藤さんのレシピは、手間をかけすぎずに家庭で簡単に再現できると評判です。
過去には「じゃがいものミルク煮」や「しそみそ肉巻き」など、シンプルながらも栄養バランスの取れた美味しい料理を数多く紹介してきました。
今回も、厳しい暑さが続く夏にぴったりの、さっぱりとした味わいのレシピや、火を使わないで作れる調理の工夫など、すぐに真似したくなるアイデアが満載でした。
体臭タイプに合わせた食品選びで、におい対策をもっとわかりやすく
体の外側からのケアに加えて、体臭対策で非常に重要なのが日々の食事です。
汗や皮脂だけでなく、食事内容が腸内環境に影響を与え、それが体臭となって現れることがあります。
ここでは、体臭のタイプごとにおすすめの食品とその理由を詳しく解説します。
体臭タイプ別におすすめの食品とその理由
- 疲労臭(アンモニア臭):ストレスや疲労で肝機能が低下し、アンモニアが汗に残りやすくなります。対策として、肝臓の働きを助けるオルニチンが豊富なシジミ・マグロ・チーズ・キノコ類や、肝臓をサポートするクエン酸を含む梅干し・黒酢がおすすめです。また、ヨーグルトや納豆で腸内環境を整えることも有効です。
- ケトン臭(酸っぱいニオイ):糖質不足による代謝の乱れが原因です。代謝を促進するクエン酸を含むレモン・黒酢・梅干しを取り入れつつ、エネルギー源となる適度な糖質を補給し、食事のバランスを整えましょう。
- キャベツ臭(腐敗臭):腸内でのたんぱく質の腐敗が原因です。食物繊維が豊富な豆類・葉野菜で腸内を掃除し、発酵食品で善玉菌を増やすことが対策の鍵となります。
- ミドル脂臭・まくら臭:汗腺機能の低下による乳酸の蓄積が原因です。ウォーキングや入浴で汗腺を鍛えることが基本ですが、補助的にクエン酸食品を摂ることで代謝と血流を助ける効果も期待できます。
- 加齢臭(ノネナール臭):皮脂の酸化によって発生します。抗酸化成分が豊富なキノコ類(エルゴチオネイン・スピルミジン)や、ビタミンC・E、ポリフェノールを多く含むナッツ・柑橘類・ごまなどを積極的に摂取し、体の内側から酸化を防ぎましょう。
食品による体臭対策の根拠と注意点
体臭対策に有効な食品には、それぞれ科学的な根拠があります。
例えば、キノコ類に含まれる抗酸化成分エルゴチオネインやスピルミジンは、加齢臭の原因となる皮脂の酸化を和らげる働きが注目されています。
また、クロロフィルを豊富に含む葉野菜やスピルリナなどの緑の食品は、体内で発生するにおい物質を中和し、腸内環境を改善するのに役立ちます。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やしてアンモニアなどの悪臭物質の発生を抑制します。
さらに、梅干しやレモンに含まれるクエン酸は、体内の代謝を活性化させ、疲労物質やにおいの元の分解を促進します。
一方で、赤身肉やにんにく、アルコール、香辛料など、においを強める可能性がある食材の摂りすぎには注意が必要です。
自分の体臭タイプを理解し、それに合った食品をバランス良く食生活に取り入れることで、体の内側から効果的ににおいをコントロールしていきましょう。
まとめ
今回は「あさイチ」で紹介された、体臭タイプ別の原因と対策についてまとめました。
ストレスが原因の「疲労臭」から、30代以降に増える「ミドル脂臭」、そして「加齢臭」まで、それぞれのにおいに合わせた食事法や生活習慣の改善が重要です。
また、「お酢風呂」や「10円玉を使った靴の消臭」など、今日からでもすぐに実践できる簡単な裏ワザも紹介されました。
自分のにおいの原因を知り、体の外側と内側の両方からケアすることで、夏のにおいの悩みを解消し、より快適な毎日を送りましょう。