2025年7月31日放送の「あさイチ」で、スズメバチに刺されたときの対処法とNGな行動について特集されました。
教えてくれたのは、40年以上スズメバチを研究している中村雅雄さんと、埼玉医科大学病院の上条吉人臨床中毒センター長です。
夏から秋にかけて活動が活発になるスズメバチから身を守るために、正しい知識を身につけておきましょう。
ススメバチに刺されたときの対処法
もしスズメバチに刺されてしまった場合、パニックにならず冷静に行動することが重要です。
正しい手順で対処することで、被害を最小限に食い止められます。
まず、何よりも優先すべきなのは、速やかにその場から離れることです。
同じ場所にとどまっていると、さらに多くのハチから連続して攻撃される危険があります。
ハチは一度刺しても何度も攻撃できるため、被害が拡大し、命に関わるアナフィラキシーショックのリスクが急激に高まります。
スズメバチは50メートルほど追いかけてくることもあるため、ついてこなくなるまで全力で走り去りましょう。
安全な場所まで避難できたら、応急処置を行います。
刺された箇所を、流水で10分から15分ほどしっかりと洗い流しながら冷やしてください。
スズメバチの毒は水溶性で、水に溶けやすい性質があります。
この処置により、毒を薄めて体外に排出し、痛みや腫れをある程度抑える効果が期待できます。
ただし、一度に複数箇所を刺された場合や、刺された箇所の痛みや腫れ以外に、頭痛、呼吸の乱れ、じんましんといった全身症状が現れた場合は、迷わず救急車を呼んでください。
これらはアナフィラキシーショックの兆候であり、命の危険がある緊急事態です。
判断に迷った際には、一部地域で開設されている救急相談センター「#7119」に電話し、医師や看護師の指示を仰ぐこともできます。
応急処置後、痛みや腫れがなかなか引かない、または悪化するような場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。
ススメバチに刺されたときのNGな対処法
良かれと思ってやった行動が、かえって症状を悪化させることがあります。
昔から伝わる民間療法などには効果がなく、危険なものもあるため注意が必要です。
代表的なNG行動は、刺された傷口を口で吸い出すことです。
映画などで見かけるシーンですが、絶対にやってはいけません。
口の中にいる雑菌が傷口から侵入し、化膿して腫れや痛みがひどくなる原因になります。
また、吸い出した毒が口内の傷などから体内に入ってしまう二次被害のリスクもあります。
同様に、アンモニアが効くという俗説から尿をかける行為も全く効果がありません。
衛生面でも問題があるため、絶対にやめましょう。
ススメバチに刺されないようにするには?
最も重要なのは、スズメバチに刺されないための予防です。
スズメバチの生態を知り、危険な状況を避けることが一番の対策になります。
スズメバチが人を攻撃するのは、ほとんどの場合、自分たちの巣が脅かされたと判断したときです。
巣に近づいたり、大きな音や振動を与えたりすると、巣を守るために攻撃的になります。
逆に言えば、理由なく人を襲うことはありません。
一匹のスズメバチが飛んできたからといって、すぐに刺されるわけではなく、腕に止まったとしても、刺激しなければ何もしないことがほとんどです。
しかし、スズメバチは木の枝や軒下だけでなく、土の中や壁の隙間、配管の中など、気づきにくい場所に巣を作ることがあります。
そのため、意図せず巣に近づいてしまい、ハチを刺激してしまうケースが後を絶ちません。
ハイキングや農作業、庭仕事の際は、周囲の状況に十分注意しましょう。
スズメバチの攻撃パターン
スズメバチの攻撃には段階があります。
このパターンを知っておけば、最悪の事態を回避できる可能性が高まります。
第1段階は「警告」です。
巣が刺激されると、まず偵察役の少数のハチが巣から出てきて、対象の周りをまとわりつくように飛び回ります。
これは「これ以上近づくな」という警告行動です。
この時点でハチは非常に神経質になっており、わずかな刺激で刺してくることがあります。
第2段階は「威嚇」です。
警告を無視してその場にとどまると、より多くのハチが集まってきます。
ハチの数が増え、羽音が大きくなりますが、この段階であればまだ攻撃は始まっていません。
足音を立てず、静かに、ゆっくりと後ずさりして巣から離れれば、刺されずに済むことが多いです。
第3段階は「総攻撃」です。
警告や威嚇の段階で、恐怖から手で払いのけたり、大声を出したりすると、完全に「敵」と見なされ、集団での攻撃が開始されます。
多数のハチが体の周りに群がり、体当たりをしながら次々と刺してきます。
こうなると攻撃は簡単には止まりません。
一刻も早く、ハチが追いかけてこなくなるまで全力で走り、その場から離れる以外に方法はありません。
まとめ
スズメバチに刺されたときの正しい対処法やNG行動、そして刺されないための予防策についてまとめました。
特にキイロスズメバチは、巣が最も大きくなり新女王を育てる8月から9月にかけて、自分たちの脅威になるものに対して非常に攻撃的になります。
スズメバチの生態や対処法を頭に入れて、もしものトラブルが起きても慌てず冷静に対処できるようにしておきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。