2025年7月31日に放送された「あさイチ」では、これからの季節に特に注意したい「ヘビにかまれたときの対処法」が特集されました。
教えてくれたのは、埼玉医科大学病院で臨床中毒センター長を務める上条吉人先生です。
万が一の事態に遭遇した際に冷静かつ適切な行動がとれるよう、正しい知識をしっかりと身につけておきましょう。
ヘビにかまれたときの対処法
もしヘビにかまれてしまった場合、最も重要なのはパニックにならず、落ち着いて行動することです。
結論として、なるべく動き回らず、かまれた箇所に触れないようにして、速やかに病院を受診してください。
日本に生息している毒蛇の場合、かまれてから命に関わる事態に発展するまでには比較的時間がかかるため、一刻一秒を争うケースは極めて少ないです。
そのため、必要以上に慌てる必要はありません。
ただし、以下のような症状が見られる場合は、緊急性が高いと判断し、ためらわずに救急車を呼びましょう。
- 腫れが急速に広がってくる
- 子どもがかまれた場合で、患部がパンパンに腫れて硬くなり、激しい痛みがある
- 頭痛がする
- 血がなかなか止まらない
これらのサインは体が危険な状態にあることを示しているため、速やかな医療介入が求められます。
ヘビにかまれたときのNGな対処法
良かれと思って取った行動が、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
昔からの言い伝えや映画のシーンなどで広まった間違った対処法には注意が必要です。
特に以下の行動は絶対に避けてください。
・噛まれた場所を縛る
毒の拡散を抑える目的で縛る行為は、効果が低いだけでなく非常に危険です。
血行が悪くなることで、かまれた部分の組織に必要な栄養素や酸素が行き渡らなくなり、かえって障害が進行してしまいます。
最悪の場合、組織が壊死してしまうこともあるため、絶対に縛ってはいけません。
・噛まれたところを口で吸いだす
毒を吸いだそうとする行為もNGです。
口の中にいる雑菌が傷口から入ることで、患部の腫れや痛みを悪化させる原因となります。
さらに、吸いだした人の口の中にも毒が入ってしまうリスクがあり、二次被害につながりかねません。
このほか、傷口を切ったり、冷やしたりする行為も間違った対処法です。
まとめ
ヘビにかまれたときの正しい対処法やNG行動についてまとめました。
毒蛇にかまれても、すぐに命を落とすようなケースはまれであると知ることで、万が一の際にも冷静さを保ちやすくなります。
実際に、マムシに手をかまれたケースでは、医師は6時間以内に肘まで腫れが及んだ場合に血清を投与するかを判断基準の一つとします。
これだけの時間的猶予があれば、パニックにならずに病院へ向かうことができそうですね。
ヘビにかまれたときは、「縛らない、吸わない、切らない、冷やさない」という4つのNG行動をしっかりと覚えておき、落ち着いて医療機関を受診できるようにしておきましょう。