2025年8月1日放送の「チコちゃんに叱られる!」で、夏の季節にぴったりな日常の疑問について特集されました。
コンサートでおなじみのペンライトのルーツから、お店で食べるようなふわふわのかき氷を家庭で作るための科学的な秘密、そして海辺で感じる独特なにおいの正体まで、興味深い内容が盛りだくさんです。
ペン型ライトはなぜ振るようになったのか?
ライブやコンサートでファンが振るペンライトは、今や欠かせない応援グッズですが、その始まりは応援のためではありませんでした。
きっかけは、1974年に歌手の西城秀樹さんが大阪スタジアムで開催したコンサートです。
当時、会場が暗くて客席のファンの顔が見えないことを寂しく思った西城さんが、ファンに向けて「懐中電灯を持ってきてください」と呼びかけました。
この呼びかけに応えたファンが持ってきた光が、アーティストと観客が一体となる空間を生み出した最初の光景です。
その後、時代とともに光の形は進化します。
1980年代には、軽くてカラフルなケミカルライト(サイリウム)が登場し、応援グッズとして一気に広まりました。
さらに1990年代後半からのアイドルブームでは、グループやメンバーのカラーを表現する公式ペンライトが販売されるようになり、ファンは光の色で「推し」への気持ちを表現する文化が定着します。
近年では、光を振る行為自体が「ヲタ芸」と呼ばれるパフォーマンスへと昇華しました。
音楽に合わせてリズミカルに光を操るヲタ芸は、単なる応援を超え、ライブ演出の一部として組み込まれることもあります。
このように、一本の懐中電灯から始まった光は、ライブ文化そのものを象徴する重要な要素へと進化を遂げたのです。
家庭のかき氷はシャリシャリなのに、お店のはなぜふわふわ?
夏になると食べたくなるかき氷。
しかし、家庭で作るとガリガリとした食感になりがちなのに、専門店では口の中でとろけるようなふわふわ食感が楽しめます。
この違いは、主に3つの科学的な理由に基づいています。
1つ目のポイントは「氷の質」です。
家庭の冷凍庫では水が急速に冷凍されるため、氷の中に空気や不純物が閉じ込められ、白く濁った硬い氷になります。
一方、専門店では48時間以上もの時間をかけてゆっくりと水を凍らせることで、空気や不純物が抜けた透明度の高い「純氷」を作ります。
この純氷は結晶が大きく均一なため、薄く削ることが可能です。
2つ目のポイントは「氷の温度管理」です。
冷凍庫から出したばかりの氷はマイナス温度で硬すぎ、そのまま削ると刃が欠けてしまい、ガリガリの食感になります。
プロの店では、削る直前に氷を少し常温に置き、表面の温度を0℃近くまで上げる「温度戻し」を行います。
これにより氷の表面がわずかに溶けて柔らかくなり、刃がスムーズに入りやすくなるため、薄く滑らかに削れるのです。
3つ目のポイントは「かき氷機の性能」です。
家庭用のかき氷機と業務用の機械では、刃の鋭さや角度、氷を押さえる力のかけ方などが全く異なります。
専門店の高性能な機械は、職人の技術と組み合わさることで、氷をまるで羽毛のように薄く、空気を含ませながら削り出すことができます。
これら「氷の質」「温度管理」「機械の性能」の3つの条件が揃うことで、初めてあの感動的なふわふわ食感が生まれるのです。
海のにおいの正体ってなに?
海辺を訪れると感じる、あの独特な「磯の香り」。
多くの人が潮の香りだと思っていますが、実はその正体は海水そのものではなく、目に見えない小さな生物が生み出す化学物質です。
においの正体は、植物プランクトンが作り出す「ジメチルスルフィド(DMS)」というガス状の成分です。
海中の植物プランクトンは、体内の塩分濃度を調整するために「ジメチルスルホニオプロピオン酸(DMSP)」という物質を生成します。
このプランクトンが死んだり、他の生物に食べられたりして分解される際に、DMSPがDMSへと変化し、大気中に放出されます。
このDMSは、茹でたキャベツや海苔のような香りを持ち、人間の鼻はごく微量でも敏感に感知することができます。
そのため、海に行くと強く「海のにおい」として感じられるのです。
においの強さや質は、季節や場所によって異なります。
夏場や、栄養分が豊富な海域ではプランクトンの活動が活発になるため、DMSの発生量も増え、においが強くなる傾向があります。
地域によって磯の香りが少しずつ違うのも、そこに生息するプランクトンの種類や量が異なるためです。
このDMSは、大気中で雲を形成する核としても機能し、地球の気候にも影響を与える重要な物質として研究が進められています。
家庭で“ふわふわ”を目指すために便利な道具たち
お店のようなかき氷の秘密は科学的な理由にありましたが、便利な道具を使えば家庭でもプロの味に近づけることができます。
ここでは、ふわふわ食感の実現を助けてくれるアイテムを紹介します。
電動かき氷機と手動タイプのちがい
かき氷機には、主に「電動タイプ」と「手動タイプ」の2種類があります。
電動タイプは、ボタン一つで自動で氷を削ってくれる手軽さが魅力です。
力加減にムラが出にくいため、誰でも均一な仕上がりのかき氷を作りやすいのが特徴です。
特に、ドウシシャの「DCSP-20」(価格帯:約5,000〜6,000円)のような機種は、刃の角度を無段階で調整できるため、シャリシャリからふわふわまで、好みの食感に細かく設定できます。
一方、手動タイプは、ハンドルを回して自分の力で削る昔ながらのスタイルです。
ドウシシャの「IS-FY-20」(価格帯:約3,000〜4,000円)などは、価格が手頃で電源も不要、コンパクトなので収納場所に困らないのが利点です。
回す力加減や速さで削れ具合が変わるため、コツは必要ですが、自分好みの食感を探求する楽しみもあります。
氷の質を変える専用トレーもおすすめ
ふわふわかき氷作りで最も重要な「氷の質」を家庭で向上させるアイテムが、透明な氷を作るための専用製氷器です。
家庭の冷凍庫で普通に作った氷は、水に含まれる空気や不純物が中に閉じ込められて白く濁り、もろく砕けやすい性質を持っています。
この氷を削っても、きめ細かいふわふわ食感にはなりません。
そこでおすすめなのが、ドウシシャの「DCI-19」のような透明氷作成トレーです。
このトレーは断熱材で覆われており、水を上から一方向にゆっくりと凍らせる構造になっています。
この過程で、水中の空気や不純物は凍りにくい下層へと追いやられ、上部に透明で硬い純氷に近い氷ができあがります。
この質の高い氷を使うことで、削ったときの口当たりが格段に滑らかになります。
購入時のポイントと使い方のコツ
家庭でふわふわかき氷を成功させるには、道具選びとちょっとしたコツが大切です。
かき氷機を選ぶ際は、使用できる氷の種類を確認することが重要です。
多くの家庭用モデルは、付属の専用製氷カップで作った氷しか使用できません。
バラ氷や市販のロックアイスを使いたい場合は、対応しているか必ずチェックしてください。
また、どんな機械を使う場合でも実践したいのが、氷の「温度戻し」です。
冷凍庫から出したばかりのカチカチの氷は、削る前に冷蔵庫に移すか室温に10〜15分ほど置いて、表面を少しだけ緩ませます。
この一手間を加えるだけで、氷が刃に優しく当たり、驚くほどスムーズに薄く削れるようになり、お店のようなふわふわ食感にぐっと近づきます。
まとめ
今回は「チコちゃんに叱られる!」で紹介された、ペンライトの歴史、ふわふわかき氷の科学、そして海のにおいの正体についてまとめました。
何気ない日常の「なぜ?」の裏には、意外な人物の思いつきや、奥深い科学的な理由が隠されていることが分かりました。
特に、かき氷の作り方はポイントを押さえれば家庭でも再現できそうなので、ぜひこの夏挑戦してみたいですね。