2025年7月23日に放送されたNHK Eテレの教育シリーズ「3か月でマスターするアインシュタイン」では、「落ちる」という現象をテーマに、りんごと月という身近な存在を通して重力や宇宙の動きの謎が解き明かされました。
物理学の世界は難しいイメージがありますが、
この番組では素朴な疑問からアインシュタインの理論まで、壮大な物語をわかりやすく紹介してくれます。
月もりんごも落ちている?自由落下と空気抵抗のナゾ
りんごが木から落ちるのを見て万有引力を発見したというニュートンの逸話は有名ですが、
空に浮かぶ月がなぜ落ちてこないのか、誰もが一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
この素朴な疑問から、物理学の壮大な物語が始まります。
重さが違う物は、落ちる速さも違うのか?
まず番組では、「重い物と軽い物では、どちらが速く落ちるのか?」という問いが取り上げられます。
結論から言うと、落下する環境によって答えは変わります。
空気がない真空の世界では、すべての物は重さに関係なく同じ速さで落下します。
これはガリレオが提唱した理論であり、
月面でハンマーと羽毛を同時に落とす実験でも証明されました。
しかし、私たちが生活する地球上には空気があり、
その「空気抵抗」が落下速度に影響を与えます。
空気抵抗を受けやすい軽い物はゆっくり落ち、
重い物は速く落ちるように見えます。
例えば、野球ボールとピンポン球を同時に落とすと、
空気抵抗の影響が少ない野球ボールの方が先に地面に到達するのです。
月はなぜ地球に落ちてこないのか?
りんごのように落ちる物と、
月のように回り続ける物。
この違いは「動き続ける力」に関係しています。
実は、月は常に地球の重力に引かれ、地球に向かって「落ち続けている」状態なのです。
ではなぜ地表にぶつからないかというと、
月は落ちながらも同時に、猛烈なスピードで横方向へ移動しているからです。
この「重力で引き寄せられる力」と「前へ進み続けようとする力」が完璧に釣り合うことで、
月は地球の表面に衝突することなく、地球の周りをぐるりと回り続ける軌道を描いています。
この状態は「自由落下」と呼ばれ、
勢いよく横に投げたボールが地面に落ちながらも遠くまで飛んでいく現象とよく似ています。
出演者と番組の魅力
この難解なテーマを分かりやすく解説してくれるのが、案内役を務める宇宙物理学者で東京学芸大学教授の小林晋平さんです。
専門的な内容も、その丁寧でやさしい語り口によってスッと頭に入ってきます。
そして、お笑い芸人の福田麻貴さんが生徒役として、視聴者目線の素朴な疑問を投げかけることで、番組がより一層面白くなります。
笑いや驚きのある展開で、大人から子どもまで楽しみながら科学を学べる点がこの番組の大きな魅力です。
まとめ
「3か月でマスターするアインシュタイン」で紹介された、物の落下速度と月が落ちてこない理由についてまとめました。
空気抵抗の有無で落下の仕方が変わること、そして月が「自由落下」という状態で地球の周りを回り続けていることは、非常に興味深い内容でした。
身近な現象と宇宙の大きな動きを結びつけ、物理学の面白さを教えてくれる素晴らしい番組です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。