2025年7月21日放送のNHKの人気番組「大追跡グローバルヒストリー」で、世界を舞台にした歴史ミステリーの第4弾として、アラスカに渡った“謎の日本人実業家”の足跡を追う特集が組まれます。
100年以上も前に極北の地で活躍し、現地の人々から深く尊敬されたとされる彼の人生を、貴重な資料や証言からひも解いていきます。
アラスカにかけた謎の日本人を追う
今回の「大追跡グローバルヒストリー」は、アメリカ・アラスカが舞台です。
番組では、100年以上も前にこの地で成功を収め、現地の人々から尊敬された一人の日本人実業家の壮大な物語が紹介されます。
アメリカ各地に残る資料や写真、関係者の証言などをつなぎ合わせ、世界史と日本史が交差する視点から、これまで光が当てられてこなかった真実に迫ります。
アラスカで人々に尊敬された日本人とは
明治時代、遠く離れたアラスカの地へ渡り、現地の経済や社会に大きな影響を与えたとされるこの日本人実業家。
彼の名前や具体的な功績は番組で明らかになりますが、単にビジネスで成功しただけではなく、地域社会に深く根差し、人々の信頼を集めて必要とされる存在でした。
写真や資料からその人生を追う
番組の調査は、アメリカ各地のアーカイブに眠る資料から始まります。
当時の暮らしぶりや人物像を明らかにするため、貴重な白黒写真や手書きの記録、手紙といった一次資料が駆使されます。
これらの断片的な情報を丁寧につなぎ合わせることで、これまで知られていなかった歴史の裏側が鮮やかに浮かび上がります。
差別と向き合いながら切り開いた道
彼が活動した当時のアメリカでは、アジア系移民に対する根強い差別が存在しました。
その逆境の中、彼がどのようにして周囲の信頼を勝ち取り、自らの価値を認めさせたのか。
困難に屈せず、たくましく道を切り開いた彼の生き様は、多くの人々の心を打つことでしょう。
ゴールドラッシュの時代と交差する物語
19世紀末から20世紀初頭にかけて、アラスカは金を求める人々が殺到するゴールドラッシュに沸きました。
この歴史の大きなうねりの中で、謎の日本人実業家はどのような役割を果たしたのでしょうか。
彼が金鉱の開発に直接関わったのか、それとも別の形で地域の発展に貢献したのか、その答えが番組内で明かされます。
壮大な自然と人間の挑戦の舞台
アラスカの厳しくも壮大な自然環境は、彼の人生にとって大きな挑戦の舞台でした。
極寒の地での生活は、日本のそれとは全く異なり、想像を絶する困難が伴います。
そのような中でも、彼は人とのつながりを何よりも大切にし、異国の地で自らの居場所を築き上げていきました。
地球規模で歴史を読み直すきっかけに
この物語は、一人の日本人のサクセスストーリーにとどまりません。
彼の人生を通して、日本とアメリカ、そして世界との深いつながりが描き出されます。
歴史は決して国内だけで完結するものではなく、海を越えた人々の交流の中でダイナミックに動いていることを、改めて感じさせてくれます。
アラスカで活躍した他の日本人たちにも注目
今回の番組で紹介される“謎の日本人実業家”の背景をより深く理解するために、同時期にアラスカで活躍した他の日本人たちの存在も重要です。
彼らもまた、厳しい自然や差別と向き合いながら、自らの道を切り開いていました。
Seiki（正木）Kayamori（1877–1941）
写真家であった正木Kayamoriは、アラスカ南東部のヤクータットに30年間住み続け、現地の少数民族・トリンギット族の暮らしや缶詰工場で働く人々の姿を記録しました。
彼が残した約700枚のガラス乾板写真は、当時の生活を伝える貴重な歴史資料として、今なお博物館に保存されています。
しかし、1941年、第二次世界大戦開戦直前に日本人という理由でFBIの監視対象となり、自ら命を絶つという悲劇的な最期を遂げました。
彼の写真は、アラスカ先住民の文化を後世に伝える重要な記録として高く評価されています。
Jujiro Wada（1872?–1937）
探検家・冒険家としてその名を残すのが、和田重次郎です。
彼はアラスカやカナダ・ユーコン準州を舞台に活動しました。
特に、現在も世界最大級の犬ぞりレースとして知られる「イディタロッド・トレイル」の開拓に関わった功績は有名です。
金鉱探しに参加しながら犬ぞりを駆使して情報を伝え、郵便や通信のためのルート整備にも貢献した、アラスカ開拓を支えた草の根の功労者です。
Harry Sotaro Kawabe（1890–1969）
大阪出身の河部惣太郎は、1916年にアラスカのアンカレッジへ移住し、実業家として地域に貢献しました。
現地で洗濯業や中華料理店を経営して経済を支えましたが、第二次世界大戦中にはフォート・リチャードソンに強制収容されるという苦難も経験します。
しかし戦後、彼は再び事業を立て直し、地元の高齢者向け住宅の建設に寄与するなど、福祉分野でも大きな役割を果たしました。
単なる移民労働者にとどまらず、地域と深く関わり、長く愛された存在でした。
まとめ
番組で紹介される“謎の日本人実業家”と、同時期にアラスカで活動した他の日本人たち。
彼らの生き方を比較することで、その人物像や歴史的な意義がより立体的に理解できます。
置かれた環境や立場はそれぞれ異なりますが、彼らに共通しているのは、厳しい状況下でも「地元社会との関係性」を築きながら生きていた点です。
彼らの存在は、これまで見過ごされがちだったアラスカと日本の交流史に、新たな光を当ててくれるでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
