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【気になる家】江古田の同潤会住宅の場所はどこ?取り壊し寸前から守られた唯一現存の文化財!

2025年7月21日放送のNHK【気になる家】で、東京・江古田に残る「同潤会住宅」の記憶について特集されます。

今回は、取り壊しの危機から奇跡的に守られ、現在は国の登録有形文化財として大切に保存されている貴重な建物の物語と、その魅力について詳しくご紹介します。

目次

同潤会住宅の記憶(東京・江古田)

番組で紹介されるのは、東京・練馬区の江古田駅からほど近い住宅街に、今も静かにたたずむ一軒の古い日本家屋です。

この家は、昭和初期の建築様式を今に伝えるだけでなく、家族の思い出と地域の歴史が深く刻まれた、まさに「生きた文化財」です。

江古田駅近くに残された時が止まった家

この家の最大の特徴は、まるで時間が止まったかのような空間が保存されている点です。

玄関を一歩入ると、木製の流し台や釜戸、さらには五右衛門風呂といった、現代の生活では見られない設備が当時のまま残されています。

その光景は、訪れる人を大正から昭和初期の時代へと誘う、タイムスリップしたかのような感覚を覚えさせます。

江古田の閑静な住宅街の中に、このような歴史的な空間がひっそりと存在していることは驚きです。

「同潤会」が建てた唯一の現存住宅

この家が持つ歴史的な価値は、ある住宅調査によって明らかになりました。

実はこの家、戦前の都市住宅問題の解決を目的として設立された「同潤会」が、昭和初期に分譲した木造戸建て住宅30戸のうち、唯一現存する一軒なのです。

これまで同潤会といえば、表参道の同潤会アパートなどが有名でしたが、戸建て住宅も手がけていたという事実は、この家の発見によって再認識されることとなり、建築史的にも非常に重要な意味を持っています。

家の内装と設備もほぼ当時のまま

保存状態の良さは外観だけにとどまりません。

家の中には、当時の台所や和室、趣のある障子戸、力強い天井の梁、そして巧みに作られた収納棚などが、生活の痕跡とともに丁寧に残されています。

特に、五右衛門風呂の構造や、独特の技法で積まれた屋根の瓦など、細部にわたって昭和初期の都市住宅に共通する設計思想や工夫が見られ、当時の人々の暮らしぶりをリアルに感じ取ることができます。

取り壊し寸前に守られた理由とは

この歴史的価値の高い家も、一時は失われる危機に瀕していました。

長年この家に暮らしていたのは、東京帝国大学の教授だった初代当主の一家です。

しかし、2005年頃に最後の住人であった長男夫婦が高齢のために施設へ移ると、家は空き家となりました。

その後、土地活用のために家を取り壊し、マンションを建設する計画が具体的に進められていたのです。

保存のきっかけは専門家の評価

まさに取り壊される寸前だったこの家を救ったのは、専門家の慧眼でした。

マンション建設計画が浮上する中で行われた住宅調査の際に、建築史の専門家たちがこの家の類まれな価値に気づきました。

「これは単なる古い家ではない。住宅遺産としての価値がある」という高い評価が下されたことが、保存に向けた大きな転換点となったのです。

姉妹と地域の人たちが立ち上がる

専門家による評価を受け、保存活動の中心となったのが、初代当主の孫にあたる能登路雅子さんと奥村園子さんの姉妹です。

姉妹は、祖父母との思い出が詰まったこの家を守るため、近所の人々と手を取り合って保存活動を開始しました。

地域住民の協力の輪が広がり、地道な活動を続けた結果、2010年には国の登録有形文化財に指定されるという快挙を成し遂げました。

指定後は、屋根の葺き替えや木製ガラス戸の復元、庭の手入れなどが行われ、家は往時の姿を取り戻しました。

この家は「生きた文化財」

この家が今日まで残されたのは、決して偶然ではありません。

家を守りたいという家族の強い想い、その価値を見出した専門家の評価、そして活動を支えた地域の温かいつながり、これらすべてが重なり合った結果です。

番組では、単に古い建物を残すということだけでなく、「家を残すとはどういうことか」「記憶を未来へつなぐとは何か」といった、私たち自身の暮らしにも通じる普遍的なテーマが丁寧に描かれます。

再生された家の姿

見事に復元された家は、現在「生きた文化財」として新しい役割を担っています。

ただ保存されるだけでなく、見学イベントを通じて多くの人々にその価値を伝えたり、地域住民との交流の場として活用されたりしています。

単なる過去の遺構としてではなく、暮らしと文化の息吹を今に感じることができる現役の住宅として、新しい命が吹き込まれているのです。

放送では何が描かれる?

番組の語りを担当するのは、俳優の石丸謙二郎さん森田茉里恵アナウンサーです。

番組本編では、保存活動に尽力した姉妹の姿や、この家を昔から知る地域の方々の貴重な証言、そしてカメラが捉えた建物内部の美しいディテールや、当時の暮らしを感じさせる品々が詳しく紹介される予定です。

放送前には判明していなかった、より深いエピソードが明かされることでしょう。

まとめ

NHK【気になる家】で特集される東京・江古田の「同潤会住宅」についてまとめました。

取り壊しの危機を乗り越え、家族の想いと専門家の評価、そして地域の協力によって守られたこの家は、まさに「生きた文化財」という言葉がふさわしい場所です。

昭和初期の暮らしを今に伝える貴重な建築でありながら、現在も地域交流の拠点として活用されている点に、文化財保存の新しい形を見ることができます。

7月21日の放送で、その物語の全貌が明かされるのが非常に楽しみです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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