2025年7月31日に放送された『ナゼそこ？＋』では、元警視庁警部補という異色の経歴を持つ男性が、全てのキャリアを捨てて高知県の山奥へ単身移住した理由と、その現在の生活に密着しました。
最愛の家族や親友との死別、そして自身のがん宣告という壮絶な過去を乗り越え、なぜ彼は社会的な地位を捨ててまで秘境での孤独な生活を選んだのか、その決断の裏側に迫ります。
高知県の山奥に移住した元警部補とは？
番組で紹介されたのは、2年前まで警視庁に勤務していた元警部補の男性です。
都会の第一線で活躍していた彼が、なぜ人生を180度転換させる決断に至ったのか、その人物像と背景に多くの注目が集まりました。
警視庁でのキャリアと警部補という職位
彼は東京の渋谷区出身で、警視庁では中堅刑事として現場の捜査や部署の指揮を担う「警部補」の職位にありました。
番組内では「古畑任三郎と同じ」と紹介されたように、警部補は豊富な現場経験が求められる責任ある立場です。
安定した公務員のキャリアを築き上げていましたが、そのすべてを自らの意思で手放すという決断を下しました。
この選択の重みが、彼の物語に深みを与えています。
移住前の暮らしと退職に至った事情
東京での暮らしは、典型的な都会の公務員そのものでした。
しかし数年前、彼の人生は暗転します。
最愛の娘と親友を立て続けに失うという耐えがたい悲劇に見舞われ、追い打ちをかけるように自身もがんと診断されました。
心身ともに限界を迎え、これまでの人生を続けることに疑問を感じた彼は、警視庁を早期退職し、全く新しい生き方を模索することを決意しました。
放送番組で語られた悲劇とドラマ
7月31日の放送では、彼の壮絶な人生ドラマが詳細に描かれました。
愛する人々との突然の別れや、自らの病との闘いという過酷な経験が、彼の価値観を根底から覆したのです。
番組は、彼が華やかな都会の生活を捨て、あえて高知県の山奥で一人暮らしを始めた理由、そして心の闇から再生へと向かう過程を丁寧に追い、視聴者に深い感動と問いを投げかけました。
なぜ高知県の山奥を選んだのか？
彼が新たな生活の場として選んだのは、高知県の深い山奥でした。
都会のすべてから隔絶されたこの場所には、彼の再生にとって不可欠な要素が揃っていました。
自然回帰と孤独な環境による心の再生
移住の大きな動機は、都会の喧騒から離れ、静かな自然の中で自分自身と向き合いたいという強い思いでした。
番組で描かれた「たった1人で山暮らしを送る」姿は、彼が深い孤独の中で過去の傷を癒し、心の再生を図っていることを示しています。
日々、雄大な自然と対峙する中で、少しずつ新たな自分を築き上げている様子が印象的でした。
過去の喪失と疾病との向き合い
彼の移住は、過去の悲劇から逃れるためではなく、それらと正面から向き合うための選択でした。
番組では「娘…親友…最愛の2人を失い…がん宣告」という言葉で彼の苦悩が表現され、都会では得られなかった静寂と心の距離が、彼にとって自己を回復させるための重要なプロセスであることが示唆されました。
高知の山奥は、彼が自身の運命と向き合うための聖域となったのです。
移住先の具体的な場所や生活環境の特徴
番組では具体的な地名は明かされませんでしたが、「高知県の山奥」にある渓流近くが彼の生活拠点です。
電気やガスに極力頼らず、「サワガニ獲り（秘）野生生活」と紹介されたように、限りなく自然に近い自給自足の暮らしを送っています。
都市生活とは完全に対極にあるこの環境こそ、彼が求めていたものであり、その徹底したスタイルが彼の決意の固さを物語っています。
ナゼそこ？＋で明かされた現在の暮らし
取材スタッフが目の当たりにしたのは、現代社会とはかけ離れた、しかし人間本来の力強さを感じさせる生活でした。
彼の日常は、自然のリズムと共にありました。
サワガニ獲りや野生的な食生活
彼の現在の食生活を象徴するのが、自ら渓流で捕獲するサワガニです。
番組では、捕ったサワガニをその場で調理し、主食の一部とする姿が紹介されました。
これは東京での生活では考えられない、自然との一体感を象徴する光景です。
彼の食事は、まさに自然の恵みを直接いただく、野生的なスタイルそのものでした。
ひとり山暮らしの日常ルーティン
彼の日常は、都市の慌ただしいリズムから完全に解放されています。
朝は山道を散策し、日中は農作業や食材の調達に時間を費やします。
電気やガスに頼らず、自らの手で火を起こし、住環境を整える。
そのすべてをたった一人で淡々とこなす姿からは、孤独の中にある静かな充実感が伝わってきました。
番組スタッフが取材した秘境生活の裏側
スタッフによる密着取材は、彼が暮らす高知の“秘境”の実態を浮き彫りにしました。
「たった1人で山暮らし」という彼の選択は、波瀾万丈の過去から回復期へと向かうための、彼自身の治療法でもあります。
自給自足の生活を通して心身を再生させていくプロセスは、多くの視聴者に驚きと深い共感を与えました。
他の『ナゼそこ？＋』高知エピソードとの共通点と差異
『ナゼそこ？＋』では、これまでにも高知の山奥へ移住した人々が紹介されてきました。
しかし、今回の元警部補の物語には、他のエピソードとは一線を画す独自性があります。
元看守や大家族の移住事例との比較
2025年4月3日に放送されたエピソードでは、元刑務所看守の一家が高知の山奥へ移住した事例が紹介されました。
３女２男の大家族が、家族一丸となって自然と向き合う暮らしは、本件とは対照的です。
元警部補は家族を伴わず、あえて「孤独」な環境を単身で選んだという点に、明確な違いがあります。
それぞれの背景にある人生ドラマの構造
元看守一家の物語は、過去の職務経験や子育てといった背景から「家族の絆で新生活を切り拓く」という再生の形が描かれました。
一方、元警部補の物語の核にあるのは、個人的な喪失と悲嘆を乗り越えるための「孤立と再生」です。
このドラマ構造の違いが、エピソードのトーンに大きな差異を生み出しています。
本件の独自性と視聴者に響く魅力
このエピソードが視聴者の心を強く打った最大の理由は、社会的に尊敬される「元警部補」という職を捨ててまで、彼が「たった1人」で自然との共生を選んだ点にあります。
家族と共に困難を乗り越える物語とは異なり、個人的な傷と向き合い、心身の再生を求めて孤独に寄り添う姿は、現代社会に生きる多くの人々が自身の人生を問い直すきっかけを与えました。
まとめ
『ナゼそこ？＋』で紹介された元警部補の物語は、壮絶な過去を背負った一人の男性が、高知県の山奥での孤独な生活を通じて自己を再生させていく感動的なドキュメンタリーでした。
彼の決断の裏には、最愛の娘と親友の死、そして自身のがん告知という、筆舌に尽くしがたい苦悩があります。
現在、彼はサワガニを獲り、電気やガスに頼らない野生に近い生活を送ることで、自然のリズムに身を委ねています。
他の移住者と異なり、彼が「孤独」を選んだのは、静かな環境で自分自身と深く向き合うためでした。
社会的地位を捨て、あえて一人で再出発を選んだ彼の生き方は、私たちに人生の意味や幸せの形を問い直す、貴重な機会を与えてくれます。
