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【おとなりさんはなやんでる】子どもに「死にたい」と言われたら?TALKの原則と親のNG行動

2025年7月24日放送のEテレ「おとなりさんはなやんでる。」では、子どもから「死にたい」という深刻な言葉を投げかけられたとき、親としてどう向き合えばよいかが特集されました。

子どもの自殺者数が過去最多となる現代において、これは多くの家庭にとって他人事ではありません。

番組では、精神科医の松本俊彦さんなどの専門家や、自身の経験を語るゲストのよしあきさんと共に、具体的な寄り添い方や「TALKの原則」について深く掘り下げられました。

この記事では、番組で紹介された内容を基に、子どもの心を守るための具体的な知識と方法をまとめます。

目次

親のNG行動チェックリスト

子どものためを思っての行動が、意図せず子どもを追い詰めてしまうことがあります。

良かれと思って取った対応が、子どもの心を閉ざす原因になることもあるため、どのような言動を避けるべきかを知っておくことが重要です。

子どものためを思ってやっているつもりが、結果的に心を追い詰めてしまう言動があります。

以下に、知らずにやってしまいがちな行動とその影響を具体的にまとめます。

  • 過剰に干渉・管理する : 子どもの毎日の予定を細かく聞いたり、進路をすべて親が決めてしまったりする行為は、子どもに「自分は信頼されていない」と感じさせます。これは子どもの自立心を奪い、親に対する安心感を損なう原因となります。
  • すぐに答えを与える : 子どもが悩みを打ち明けた際に、「それならこうすればいい」とすぐに助言を与えると、子どもは「自分の考えは役に立たないんだ」と思い込んでしまいます。自分の力で考える機会を失い、自信をなくすことにつながります。
  • 「大丈夫?」を何度も繰り返す : 心配な気持ちから出る言葉ですが、何度も繰り返されることで、子どもは「また言われた」「心配されるのが面倒くさい」と感じてしまいます。結果として、親と距離を置こうとするきっかけになることがあります。
  • 深刻さを軽く受け止める : 子どもの話を表面上は聞いても、「でも、あなたもまだ若いから大丈夫だよ」といった言葉で締めくくると、子どもは「自分の気持ちを理解してもらえなかった」と深く傷つきます。この経験から、二度と本音を話さなくなる可能性があります。

子どもが出すSOSサインの具体例

子どもは「死にたい」と直接的な言葉で訴える前に、心身のさまざまな変化を通じてSOSのサインを発していることが少なくありません。

日々の生活の中で見せる小さな変化に気づくことが、子どもの命を守るための第一歩となります。

体調、言葉、行動の3つの側面から、子どもが発するSOSサインに注意を払うことが大切です。

  • 体の不調として表れるサイン
    • ① 病院で検査しても異常がないにもかかわらず、頭痛や腹痛などの不調を頻繁に訴えます。
    • ② 睡眠のリズムが崩れ、極端な早起きや夜更かし、または過剰に寝すぎるといった変化が見られます。
    • ③ 食欲が極端に変化し、まったく食べなくなる、あるいは過食になるといった状態になります。
  • 言葉に出るサイン
    • ① 「消えたい」や「いなくなりたい」といった、自己の存在を否定するような表現を使います。
    • ② 「自分は何のために生きているんだろう」など、自身の存在価値を疑うような発言が増えます。
  • 行動で見えるサイン
    • ① これまで仲の良かった友人との交流が急になくなったり、SNSの更新が止まったりするなど、孤立する傾向が強まります。
    • ② 学校に行きたがらない、または成績が急激に下がるといった変化が起きます。
    • ③ 暴言や無気力な態度など感情の起伏が激しくなる、もしくは逆に無表情な時間が増えます。

TALKの原則を使った家庭での声かけ例

子どもの心に寄り添い、安全を守るための具体的な対話の方法として、専門家が推奨する「TALKの原則」があります。

この原則は4つのステップで構成されており、いざという時でも親が冷静に対応し、子どもに安心感を与えるための道しるべとなります。

この原則に沿った声かけの具体例を知っておくことで、さまざまな状況で落ち着いて対応しやすくなります。

  • 例1:元気がない様子に気づいたとき
    • ① Tell(伝える):「最近元気ないように見えるよ。君のことがすごく気がかりなんだ」と、心配している気持ちを正直に伝えます。
    • ② Ask(尋ねる):「いつからそんな風に感じているの?」と、具体的な状況や気持ちを尋ねます。
    • ③ Listen(聴く):「…なんとなくしんどい」という子どもの言葉を、「そっか、つらかったんだね」と否定せずに受け止め、聞き役に徹します。
    • ④ Keep safe(安全を守る):「一人にはしないから、一緒に相談できる先生や他の人を探そうか」と伝え、具体的な支援につなげます。
  • 例2:子どもが「死にたい」と言ったとき
    • ① Tell(伝える):「あなたのその言葉がとても心配だよ」と、真剣に受け止めていることを伝えます。
    • ② Ask(尋ねる):「どうしてそう思ったのか、気持ちを教えてほしい」と、理由を問い詰めるのではなく、気持ちを理解しようとする姿勢で尋ねます。
    • ③ Listen(聴く):「気持ちを話してくれてありがとう。わかってくれる人は必ずいるよ」と、話してくれた勇気を認め、孤独ではないことを伝えます。
    • ④ Keep safe(安全を守る):「今、誰かに一緒に相談しに行こうか。あなたは一人じゃないよ」と、すぐに行動を起こし、安全を確保します。
  • 例3:何気ない日常での対話
    • ① Tell(伝える):「今日、何かあった?ちょっと元気なさそうに見えたよ」と、日常の小さな変化に気づいていることを伝えます。
    • ② Ask(尋ねる):「放課後に何か嫌なことでもあったのかな?」と、具体的な出来事について優しく尋ねます。
    • ③ Listen(聴く):「話してくれてうれしい。つらいことがあれば、またいつでも話してね」と、いつでも話せる場があることを伝えて安心させます。
    • ④ Keep safe(安全を守る):「もしよければ、今度カウンセラーに相談してみない?私も一緒に行くよ」と、専門家の助けを借りる選択肢を提案します。

まとめ

Eテレ「おとなりさんはなやんでる。」で紹介された、子どもに「死にたい」と言われた時の向き合い方についてまとめました。

重要なのは、まず親自身がやってはいけないNG行動を理解し、子どもの些細なSOSサインを見逃さないことです。

そして、いざという時には「TALKの原則」に沿って、冷静かつ共感的に対話を進めることが、子どもの心を支え、安全を守ることにつながります。

これらの知識は、特別な場面だけでなく、日々のコミュニケーションの中でも活かすことができます。

子どもの気持ちを頭ごなしに否定せず、穏やかに受け止める関わり方を続けることで、子どもは「自分はここにいてもいいんだ」という安心感を得られるようになります。

一人で抱え込まず、必要であれば学校や専門機関と連携することも忘れないでください。

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